ヒマラヤンはとても美しく上品でラグジュアリーな猫です。ふわふわの被毛と美しいブルーの瞳、その姿や性格は「猫の王侯貴族」です。
ヒマラヤンが生み出す特別な存在感に世界中の猫好きが魅了され、ヒマラヤンを知ると虜になることでしょう。
優雅なヒマラヤンですが性格は穏やかで多くの猫好きに愛される猫種です。 ゆったりとした動きやリラックスした雰囲気は飼い主に癒しをもたらします。
このブログは「ラグジュアリーキャット・ヒマラヤン」の魅力をお伝えします。

友人の家で見かけた青い瞳を持つ白い美しい生き物に魅了され、それ以来35年間で15匹のヒマラヤンと暮らしてきました。
この記事では、多くの時に喜びを、時に悲しみをともに過ごした経験を通して、ヒマラヤン猫の本当の魅力をお伝えします。
ヒマラヤンの基本情報と特徴
至高の美しさを纏う外観
ヒマラヤン猫はペルシャとシャムの魅力を併せ持つ特別な存在です。シャム猫のような美しいポイントカラーと、ペルシャ猫のゴージャスな長毛が特徴的です。
- シルクのような被毛の感触 : 雲のようにふわふわした長い被毛は、まるで高級シルクのスカーフのような手触り。我が家のヒナは、来客が「この子の毛を触っても良いですか?」と必ず尋ねるほど魅力的な被毛を持っています。
2004年に迎えた「ヒナ」は特に美しい被毛の持ち主で、ペットショーで何度も入賞したチャンピオンの子どもでした。
春の陽光を浴びるとまるで光を放つように輝き、思わず写真を撮りたくなるほどでした。
多彩なカラーバリエーション
ポインテッド模様(顔や耳、足先、尾が濃い色)を持つのが特徴です。カラーは7種で「ポイント」と呼ばれ、その色とパターンはさまざまです。これらのポイントは耳、顔、尾、脚に集中し、体の他の部分は比較的明るい色になります。
私の35年間で出会ったヒマラヤンのカラーパターンは4種類ですが、7種類のポイントカラーをご紹介します。
- シールポイント(濃い茶色):クリーム色の体に濃い焦げ茶色のポイントです。最初に迎えた「キャメル」がシールポイントでした。
- ブルーポイント(青灰色):氷河から切り出したような透明感のある青灰色のポイント。雪の上を歩く妖精だと言われています。
- チョコレートポイント(ミルクチョコレート色):シールポイントと近いポイントでシャム猫カラーのポイント。
- ライラックポイント(薄紫がかった灰色):薄い灰色の被毛のポイントです。ヒマラヤンではあまり見ることがない珍しいポイントです。
- レッドポイント(オレンジがかった色):赤みがかったオレンジのポイントを持ち、夏の日差しを浴びると燃えるように輝く被毛です。
- クリームポイント(薄いベージュ):我が家の子たちは3匹がクリームポイントです。上品なクリーム色でまるで美味しそうなケーキのようです。
- トーティポイント(まだら模様):「モザイク」の複雑なまだら模様は、私の母が「自然が描いた芸術作品」と呼んでいました。
特に私のお気に入りはクリームポイントで、その神秘的な色合いは見る人を魅了します。先日、近所の方が「まるでケーキみたい」と表現してくださったのが印象的でした。
この美しい模様がヒマラヤンを一層魅力的にしていますね。我家の猫はトーティポイントとクリームポイントです。
温もりを感じる体格
体型と特徴 : 丸みを帯びた体型と短めの脚が特徴で、抱きしめたくなるぬいぐるみのような愛らしさがあります。我が家の男の子「レオ」は6kgまで成長し、抱き上げるとずっしりとした存在感がありました。
抱き上げるとまるで小さな赤ちゃんを抱いているような感覚でした。
女の子「ヒメ」は3.2kgと小柄ですが、ふわふわの被毛のおかげで実際より大きく見えます。
顔立ちの違いと個性
これまで飼育してきたヒマラヤンには、顔の形状にも個性があり、 「ドールフェイス」と「エクストリームフェイス」の2種類があります。
我が家では両方のタイプを飼育しましたが、個人的には若干鼻が長いドールフェイスの方が呼吸トラブルが少ないと感じています。
- ドールフェイス: 最初に飼った「キャメル」は古典的な猫顔で、やや長めの鼻と均整のとれた顔立ちをしており、一般的にペットタイプと言われているヒマラヤンにしては鼻の高い猫でした。呼吸トラブルもなく、17歳まで健康に過ごしました。
- エクストリームフェイス: 「キャメル」の他はみんな平たい顔立ちで、お鼻が低いショータイプの猫です。愛らしい表情が特徴です。子猫のような愛くるしさを常に持っていますが、暑い日には呼吸が荒くなることがあり、特別なケアが必要です。
ヒマラヤンの内面 – 知られざる性格と関係性の構築
穏やかさの中にある愛情表現
ヒマラヤンは非常に穏やかで落ち着いた性格を持っています。私がこれまで飼ってきた猫は総数15匹ですが、ヒマラヤンの体形通りおっとりしていて穏やかな子たちでした。
穏やかで気品と優雅さがあふれ出るヒマラヤンの性格も魅力のひとつです。
少々怖がりなところもありますが自分のペースを保ちながら過ごします。また、とても人懐っこい性格も持ち合わせているので家族に寄り添う姿に癒されること間違いありません。
「猫の貴族」と呼ばれるヒマラヤンですが、意外にも甘えん坊な一面があります。我が家の「ヒナ」は私が仕事から帰ると、静かに足元に寄り添い、目を細めてゴロゴロと喉を鳴らします。
そして、目が合うとゆっくりと瞬きをします。猫好きなら分かるこの「スローブリンク」は愛情表現の一つと言われています。
ヒマラヤンは派手なアピールはしませんが、その控えめな愛情表現に心が温まります。
家族への深い愛着
ヒマラヤンの家族愛は特筆すべきものがあります。先日、一泊の出張から戻ると、普段はおとなしい「メイ」が玄関まで走ってきて、珍しく「ニャー」と声を出して迎えてくれました。
留守番中はほとんどベッドの下から出てこず、心配したペットシッターさんを困らせたそうです。猫たちの寂しがり屋な一面は、飼い主冥利に尽きる瞬間でもあります。

猫の聴覚は人間の約4倍といわれ、五感の中で最も優れており高い周波数の音を聞き取ることができます。
マンションのエレベーターの音が聞こえると玄関に走っていき家族を出迎えます。玄関で待っている姿に一日の疲れも癒されます。
適応力が高いという誤解
ヒマラヤンは多頭飼いに向いている猫種になります。犬など他のペットとも穏やかに共存できる適応力の高さも特徴の一つです。人との生活にも馴染みやすい性格です。
我が家も犬と猫たちが一緒に暮らしていた時期がありましたが、犬に寄り添い一緒に寝てる姿は日常的でした。
また常に多頭飼いの状態でヒマラヤンと暮らしていますが、先住猫が新入り猫をすぐに受け入れてくれます。
適応力が高いという誤解
ヒマラヤンは誰にでも懐くわけではありません。私の経験では、信頼関係を築くまでに時間がかかることもあります。
先日訪ねてきた姪っ子に「メイ」はずっと距離を置いていましたが、3回目の訪問でようやく近づいてきました。ヒマラヤンは心を開く相手を慎重に選ぶのです。
ヒマラヤンと暮らすなかで、幼児や子どもは苦手だと感じています。適応力が高いと言われるヒマラヤンですが、静かさを好むため騒がしい幼児・子どもが苦手のようです。友人の子供が来るとすぐに安全な場所に逃げ、帰るまで姿を見せません。
好きな人にしか心を開かないこともラグジュアリーキャット・ヒマラヤンのプライドの高さであると言えるでしょう。
ヒマラヤンとの日常生活 – 実体験と飼育のコツ
理想的な環境づくり
ヒマラヤンは静かな環境を好むため、リラックスできるスペースを用意してあげましょう。
ヒマラヤンは静かで落ち着いた環境を好みます。我が家では寝室の窓際にキャットタワーを設置し、日光浴スポットを作りました。
「ヒナ」はそこで午前中を過ごすのが日課となっています。
また、各部屋に隠れ家となる猫ベッドを配置し、自分だけの空間を確保できるようにしています。
静かな環境はヒマラヤンにとって大切です。我が家の猫たちは静かな寝室を好み、昼間は私のベッドで寝ています。
そして、親子関係でなければ一緒に寝ることはありません。それぞれが好きな場所で一匹で過ごしています。お互いを尊重する距離感を自然に見つけるようです。
ヒマラヤンにとって一匹だけでリラックスできる場所は大切です。多頭をキャットゲージに閉じ込めることは避けた方がいいでしょう。
猫が選ぶ場所には必ず理由があり、彼らの選択を尊重することも大切だと学びました。
温度管理と季節ごとの工夫
ヒマラヤンは長毛種のため室温管理も重要です。一般的に「夏場はエアコンで涼しくし、冬場は暖房で暖かさを保つ必要があります。」と言われていますが、季節を通して風の通り道を用意してあげると自分にとって快適な場所で過ごします。
夏は玄関のタイルの上で体の温度を冷やしたり、冬はお風呂のフタの上で暖を取ったりしています。猫は快適な場所を見つける天才です。
長い被毛を持つヒマラヤンは温度変化に敏感です。
しかし日中に家に誰もおらず窓を閉め切らないといけない家庭が大半だと考えられます。飼育環境で違いはあると思います。
閉め切った状態で飼う場合はエアコンなどを上手に使い、快適な環境を作ってあげることは大切です。

真夏の停電時、「ヒメ」が呼吸が荒くなり心配しました。急遽保冷剤をタオルで包み、横に置いたところ落ち着きを取り戻しました。高温多湿には十分注意が必要です。
被毛ケアの実践法
ヒマラヤンとの生活で最も時間がかかるのが被毛のケアです。私の35年の経験から編み出した方法は以下の通りです。
- 朝のブラッシングルーティン: 毎朝10分間、コームとスリッカーブラシを使い分けてブラッシング。特に「アイ」はブラッシング中に目を閉じてリラックスし、終わると感謝するかのように手を舐めてくれます。
- 週末の集中ケア: 土曜日は30分かけて徹底的なブラッシングと、必要に応じて部分的なシャンプーを行います。特にお尻回りは要注意です。
- シーズン対策: 換毛期(春・秋)には、脱毛量が激増します。この時期は連日のブラッシングが欠かせません。一度、出張で3日間ケアを怠ったら、「ヒナ」の脇腹に大きな毛玉ができ、動物病院でのカットが必要になった苦い経験があります。
ライオンカットになってしまったヒナちゃん。

我が家は毎朝のブラッシングが日課になっています。ブラッシングを怠ればば毛玉になります。ヒマラヤンとの生活はブラッシングから始まりブラッシングで終わります。ラッシングが苦手な猫もいますので慣れさせるのが大変です。
関連記事 初心者でも簡単!ヒマラヤンのお手入れ方法【ブラッシング編】
健康管理と定期検診
猫の健康管理は飼い主にとって大切な役割です。猫が快適で健康的な生活を送れるように管理してあげましょう。
ヒマラヤンは特有の健康問題を抱えやすい猫種です。我が家の経験に基づく注意点をご紹介します。
- 尿路結石対策: 特に男の子は要注意です。「大輔」の様子がおかしく、何度もトイレに行ってはずっとうずくまっていました。すぐに動物病院で検査したところ、尿道閉塞の初期段階と診断。その経験から、水分摂取量を増やすため、家中に水飲み場を設置し、ウェットフードも積極的に与えるようにしています。
- 呼吸器の問題: 鼻ペちゃ顔の「メイ」は夏場に呼吸が荒くなることがありました。顔の構造による特有の問題は、飼い主の細やかな観察と工夫で大きく改善できることを実感しています。
- 心臓疾患のサイン: 「大輔」が突然元気をなくした時、心筋症が見つかりました。早期発見が大切なので、異変を感じたらすぐに受診することをお勧めします。年に数回は体重測定と全身チェックを行うのが良いでしょう。
ヒマラヤンの病気については下記の関連記事を参照ください。
関連記事 ヒマラヤンがかかりやすい病気とその予防法【獣医監修】
ヒマラヤンと暮らす喜び – 日々の感動体験
独特のコミュニケーション方法
ヒマラヤンはおっとりとしていますが、飼い主とのコミュニケーションを楽しむ猫種です。ヒマラヤンは声を出さない猫として知られていますが、その分ボディランゲージが豊かです。
「大輔」は何か要求があるとじっと見つめ、しっぽをゆっくり動かします。まるで心を読むかのような感覚でコミュニケーションが取れることが、私の特権です。
ヒマラヤンは激しい運動を好む猫ではありません。そっと寄り添うことを好みます。気が付くと私の横でいつの間にか寝ていることが多くあります。
まるで「ぬいぐるみ」のようなヒマラヤンです。そばで寝ている姿をみるだけでも満足感を与えるくれる猫たちです。
ヒマラヤンの寝息、暖かさを感じることも私の人生の幸せな時間になっています。ヒマラヤンと暮らすことで与えられる幸せな時間をぜひ味わってください。
家族の一員としての存在感
我が家では食事の時間になると、6匹全員が静かにテーブルの近くに座り、家族団らんの時間を共有します。
テレビを見る時は必ず家族の横でくつろぎ、その存在自体が「家」という概念を温かいものにしてくれています。
家族に対する愛情は深く、家族が家にいなくなると不安になるようです。一般的に猫は2泊までは旅行に行っても大丈夫だと言われていますがヒマラヤンはとても寂しがり屋です。
家族が一晩でも不在だと不安になりご飯を食べない子もいます。ヒマラヤンは他の猫種と違い、家族がいないと寂しがる傾向が高い猫種です。
シニア期のヒマラヤンとの暮らし
高齢になったヒマラヤンは特に愛おしいものです。17歳まで生きた「キャメル」は晩年、日当たりの良い窓辺でほとんどの時間を過ごしました。
足腰が弱くなったため、お気に入りの場所に上れるよう低めの踏み台を設置し、食事や水も近くに配置しました。
シニア期は健康診断で腎機能の低下を発見することが大切です。腎臓病と猫は切っても切れない関係です。腎機能を注視することで長寿につながります。
関連記事 長寿猫に育てる秘訣!ヒマラヤンが20年生きるための日常ケア
飼育上の注意点と対策
適度な運動の確保
おとなしいヒマラヤンは運動不足になりがちです。我が家では猫じゃらしを使った10分間の遊びを1日2回取り入れています。
ヒマラヤンにジャンプ力はありません。しかし「アイ」は特に羽根のおもちゃが好きで、普段の優雅な姿からは想像できないほど活発に飛び跳ねます。
専門的なグルーミング
ヒマラヤンはお嬢さま・おぼっちゃまの猫です。他の猫種よりもお手入れが必要な猫になります。
完璧なヒマラヤンのコートを維持するには、時に専門家の手が必要です。2ヶ月に一度、プロのトリマーさんにお願いするか、自宅でのケアを徹底するかの選択になります。
私は基本的に自宅ケアですが、年に2回はプロの手も借りています。夏前には「サマーカット」と呼ばれる軽いトリミングを施しています。
お腹周りと脇の下の毛を短くします。完全なライオンカットではなく、体温調整機能を保ちつつ暑さ対策になる程度の長さにとどめるのがコツです。
我が家の猫はこのカットのおかげで、夏の暑さをずっと快適に過ごせるようになりました。
まとめ-35年間のヒマラヤン飼育を通して
ヒマラヤンは、その優雅な外見だけでなく、穏やかで愛情深い性格から「理想的な家庭猫」として多くの人々に愛されています。
35年間、15匹のヒマラヤンと共に過ごした日々は、私の人生の宝物です。彼らは単なるペットではなく、喜びも悲しみも分かち合った真の家族でした。
ヒマラヤン猫の気品ある外見の奥には、驚くほど繊細で愛情深い心があります。彼らのケアには特別な配慮が必要ですが、その分だけ深い絆と豊かな日々がもたらされます。
長い被毛のケアや健康管理など、手間はかかりますが、それ以上の愛情と癒しを与えてくれる彼らとの暮らしは、何物にも代えがたい幸せです。
今日も私の枕元で眠る「ハナ」の寝息を聞きながら、ヒマラヤンとの出会いに感謝しています。
これからヒマラヤン猫との暮らしを考えている方には、ぜひその素晴らしさを体験していただきたいと心から願っています。
彼らの青い瞳と優雅な存在感は、きっとあなたの人生も豊かに彩ってくれることでしょう。
これからヒマラヤン猫との暮らしを考えている方に、その素晴らしさが少しでも伝われば幸いです。
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