ヒマラヤンが「吐く」のは珍しいことじゃない
猫を飼っていると、一度は経験する「吐く」という行動。
とくにヒマラヤンのような長毛種は毛づくろいの際に大量の被毛を飲み込むため、他の猫種よりも吐きやすい傾向にあります。
しかし、すべての嘔吐が「毛玉のせい」ではありません。
中には病気の兆候が隠れていることもあるため、飼い主としては注意深く観察し、適切なケアや判断が求められます。
この記事では、猫歴35年以上、現在6匹のヒマラヤンと暮らす私の経験を交えながら、以下の内容を詳しく解説します。
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吐く原因と見分け方
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毛玉・食事・体調による嘔吐の違い
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病気が隠れているケースと対応
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ヒマラヤン特有の注意点
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日常の予防策とケア方法
「これって病院に行くべき?」「ただの毛玉なの?」と不安になる前に、ぜひ参考にしていただければと思います。
ヒマラヤンが吐く主な原因とその見分け方
毛玉(ヘアボール)
長毛種であるヒマラヤンにとって、毛玉による嘔吐は最も一般的な原因の一つです。
猫は毎日毛づくろいをする生き物。特に換毛期になると抜け毛の量が急増し、胃の中に溜まった毛を「ウインナーのような細長い塊」で吐き出すことがあります。
✔ 私の経験談
我が家の「ユキちゃん」は、春と秋の換毛期に必ず毛玉を吐きます。こまめなブラッシングを心がけると、明らかに嘔吐回数が減ったため、日々のケアの大切さを痛感しています。
✔ 対処法と予防策
方法 | 効果 |
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毎日のブラッシング | 被毛の飲み込みを防ぎ、毛玉の形成を抑制 |
毛玉ケア用フード | 繊維の力で毛玉を自然に排出しやすくする |
サプリメント(ラキサトーンなど) | 毛玉の排出を助けるジェル状製品 |
2. 食事関連の問題
食べすぎ・早食い・空腹時間が長すぎることも、嘔吐の原因になります。
こんな場合は要注意
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ごはんの後すぐに吐いた(未消化フード)
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朝、空腹のまま透明や黄色の液体を吐く
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新しいフードに変えてから頻繁に吐くようになった
✔ 私の工夫ポイント
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自動給餌器を使い、少量を複数回に分けて与えています。
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食べるのが早い子には、早食い防止のフードボウルを活用。
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新しいフードは7〜10日かけて少しずつ混ぜて慣らす。
3. 消化器系の疾患
嘔吐が繰り返される、元気がない、下痢を伴うなどの症状がある場合は、胃腸炎や腸閉塞などの病気が疑われます。
症状例と対応の目安
状況 | 対応 |
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1日に何度も嘔吐/食欲なし | → すぐに動物病院へ |
異物を飲み込んだ形跡がある | → 緊急対応。X線や内視鏡検査が必要なケースも |
嘔吐物に血や異臭 | → 消化管の炎症や潰瘍の可能性あり |
✔ 我が家の体験談
「ヒナちゃん」が黄色の液体を続けて吐いたことがあり、診てもらったところ軽度の胃炎とのことでした。
今ではサプリ+分食+ストレス軽減で落ち着いています。
4. 流涙症(目やに)による二次的な嘔吐
ヒマラヤンは短頭種のため、目や鼻の構造に特徴があり、涙が鼻や喉に流れ込みやすい体質です。
これが不快感や吐き気の原因になることもあります。
✔ ケアのポイント
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涙やけのこまめな拭き取り(毎日が理想)
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鼻の通りが悪い場合は蒸しタオルで温める
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換気と湿度調整(湿度は50%前後がベスト)
嘔吐物の種類別|見極めと対処法
嘔吐物 | 原因 | 対応策 |
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毛玉 | 毛づくろい/換毛期 | ブラッシング/毛玉ケアフード/サプリ |
未消化フード | 食べ過ぎ/早食い | 分食/ゆっくり食べさせる工夫 |
透明な液体 | 空腹時の胃酸/ストレス | 夜食を追加/空腹時間を短縮 |
黄色い液体(胆汁) | 長時間の空腹/胆汁逆流 | 食事回数の調整/継続時は受診 |
ヒマラヤン特有の注意点
短頭種気道症候群
呼吸が浅く、吐きやすい体質であるヒマラヤン。特に暑い時期や運動後は嘔吐のリスクが高まるため、室温・湿度の管理が非常に大切です。
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夏場:25~27℃
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湿度:40~60%
→ エアコンと除湿器・加湿器を併用
毛球症(ヘアボール症)
胃や腸に大きな毛玉が詰まり、排出できなくなる状態。ひどい場合は腸閉塞や吐血を伴うことも。
✔ 対策まとめ
方法 | 補足 |
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換毛期は1日2回のブラッシング | 特に首・お腹・しっぽ周りは重点的に |
毛玉ケア用のサプリ・おやつ導入 | 毎日少量を与えておく |
定期的なうんちチェック | 毛が多く混ざっていると注意 |
私が実践する日常ケアと予防策
日々のちょっとした習慣で、嘔吐のリスクは大幅に減らすことができます。
✅ 毎日のブラッシング
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ブラシは「スリッカーブラシ+コーム」の2種類を使い分け
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毛玉ができやすい部位は特に念入りに
✅ ストレスフリーな環境づくり
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騒がしい場所を避けて、静かな寝床を設置
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他の猫とのトラブルを避ける配置
✅ 食事と水分の工夫
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食事は1日3〜4回に分けて与える
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自動給水器で新鮮な水を確保
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ウェットフードも併用して水分量をアップ
筆者の体験談|嘔吐と向き合うヒマラヤンたち
「ヒナちゃん」の嘔吐と胃炎
最初は毛玉かと思っていた嘔吐が、実は胃炎だった経験があります。
今ではサプリメント(ラキサトーン)を毎日与え、こまめなブラッシングと分食で体調を安定させています。
「レオくん」は吐かないタイプ
逆に吐かない子は、それはそれで不安。
「毛玉が溜まっていないか?」「飲み込んだままでは?」と気を遣っています。
吐かない=健康とは限らないため、健康診断でしっかり確認しています。
まとめ|「ただの毛玉」で終わらせないために
ヒマラヤンが吐くのは、単なる毛玉の問題かもしれません。
でも、その裏に病気やストレス、生活環境の不備が隠れていることもあります。

大切なのは、「うちの子の嘔吐は普通だから」と思い込まないこと。
日々の観察・ケア・工夫が、ヒマラヤンの健康寿命を大きく伸ばします。
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