日曜の朝、リビングに差し込む光の中でヒマラヤンたちが丸くなって眠っている姿を眺めていると
「この静かな幸せを、映画の中でどんなふうに描いているんだろう」と思う瞬間があります。
6匹の猫たちは一人ひとり気まぐれで、機嫌が良いときは膝にそっと乗ってきたり、気分屋の長女は本棚の上から私を観察したり。
それぞれの個性が私の日常を彩っています。
猫の映画を観るときは、自分の暮らしとどこか重ねてしまい、登場する猫のしぐさ一つひとつに、我が子の面影を見つけて微笑んだり、時には涙したり。
ここでは「猫と暮らす生活者として実感したこと」を混じえつつ、おすすめの“猫映画”を本音でご紹介します。
特に私のようにヒマラヤンのような穏やかで猫と日々を共にしていると、映画に出てくる猫の一挙手一投足に、つい我が子を重ねてしまうのです。
今回は、猫好きの目線、そしてヒマラヤンと暮らす飼い主としての視点から、「猫が登場するおすすめ映画5選」をご紹介します。
リアルな感想つきで、ネタバレを避けながらお届けしますので、安心して読んでくださいね。
1. 『ねことじいちゃん』(2019年)
監督:岩合光昭/主演:立川志の輔・柴咲コウ/ジャンル:ヒューマンドラマ
あらすじ
小さな島で静かに暮らすおじいちゃん・大吉と、相棒の猫タマ。妻に先立たれた大吉は、タマとの毎日を通して、自分の人生と穏やかに向き合っていきます。
感想(ヒマラヤンと暮らす飼い主の視点)
この映画の印象は“猫との無言の会話”。
私は朝、ヒマラヤンのチョビがコーヒーカップのそばに座るだけで、互いの一日が始まる合図だと感じています。
『ねことじいちゃん』には、そんな何気ない暮らしの積み重ねによって生まれる優しい絆が、目の前の温度ごと伝わってくる映画です。
膝の上で眠るタマの安心しきった表情に、「どんなにささやかな毎日でも、寄り添うことに意味がある」と再認識しました。
猫と言えば岩合光昭さん!岩合さんの猫に対する深い愛情が伝わる映画です。
2. 『猫侍』(2014年)
主演:北村一輝/ジャンル:時代劇×猫コメディ
あらすじ
浪人・斑目久太郎が暗殺対象として狙ったのは、なんと一匹の白猫・玉之丞。猫との出会いを通じて、無骨だった彼の人生が少しずつ変わっていく。
感想
玉之丞の堂々たる姿を見たとき、「家の誰にもなびかないミントだな」と吹き出してしまいました。
猫は人間を選り好みするようで、実は絶妙な距離から家族を癒しています。
普段は厳格な父が、うちのヒマラヤンを撫でている表情を横でこっそり観察するとき、「人は猫に心の扉を開かされる」と実感。
コメディ要素の中に自分の生活が重なり、何度も笑ってしまいました。
3. 『先生と迷い猫』(2015年)
主演:イッセー尾形/ジャンル:静かな人間ドラマ
あらすじ
偏屈な元教師が、ある日姿を消した地域猫ミイを探す中で、地域の人々と心を通わせていく。
感想
地域猫がふと姿を消す不安。まさに「名前はなくても家族同然」の存在感。
私も以前、外出したヒマラヤンが数時間帰ってこなくて心臓が縮むような思いをしたことがあります。
映画の中で猫がいないだけで登場人物の関係が静かに変化する過程が、私の日常にも確かにある。
猫が“繋ぎ手”という役割で、そこに居てくれるだけで充分という感覚が妙に胸に沁みました。
4. 『猫なんかよんでもこない。』(2016年)
主演:風間俊介/原作:杉作の実話漫画/ジャンル:青春・成長ストーリー
あらすじ
プロボクサーを夢見る青年・ミツオが、思いがけず引き取ることになった猫との生活を通じて、人生を見つめ直していく。
感想
「予定外の出会い」というテーマは私自身の猫暮らしの核心。
最初の一匹は、家族が里親募集で急に連れてきた子で、心の準備もできないままバタバタ過ごしたあの日を思い出します。
映画の「思いがけない出会い」の苦労や喜びがリアルで、成長を見守る気持ち、自分自身も変化していく感覚が重なりました。
5. 『グーグーだって猫である』(2008年)
監督:犬童一心/主演:小泉今日子/原作:大島弓子
あらすじ
愛猫を亡くした漫画家・麻子の前に現れた新しい猫・グーグー。グーグーとの日々が、彼女の心を少しずつ癒していく。
感想
正直、この映画では「ペットロス」を自分に重ねてしまい、心から泣いてしまいました。
亡くなった子の写真をまだ手放せない私ですが、新しい猫の存在が少しずつ傷を癒してくれた実体験ともリンク。
「ただそばにいてくれるだけ」で救われる時間があること、猫と人との距離の取り方に改めて向き合える作品です。
番外編:アニメ・外国映画からも名作ぞろい!
『こねこのチー ポンポンらー大冒険』(2017年/日本)
明るくて天真爛漫な子猫・チーの冒険譚。
カラフルな映像とテンポのよさで、疲れた夜に観ると心がほぐれます。家族をテーマにした温かい作品です。
子猫アニメ作品も、実は我が家で“みんな揃って観賞会”をした思い出が。
誰よりも食い入るように画面を眺めていたのは、人間より猫たちでした。
アニメの「チー」のような無邪気さを見て「あれ?うちの三女そのまんま!」と家族で盛り上がったことも。
実写でもアニメでも、猫という存在は誰かの心の奥深くまで静かに入り込んでくる、と毎回感じます。
『ルドルフとイッパイアッテナ』(2016年/日本)
黒猫ルドルフが都会で生き抜く術を学びながら成長していく姿は、まるで“猫版ビルドゥングスロマン”。
大人が観ても心が動かされる一作です。
『こねこ』(1996年/ロシア)
家族と子猫の絆を描いたロシア映画。
迷子になるシーンでは「うちの子がいなくなったら」と胸が締めつけられ、涙が止まりませんでした。
まとめ|猫は静かに、でも確かに物語を動かす存在
映画の中だけでなく、私の日常もまた“猫という名の物語”の連続かもしれません。
どんなに落ち込んだ日でも、帰宅してヒマラヤンたちとまったり過ごす時間が、一日の終わりには優しい色に染めてくれる。
猫映画を観る時間は、「猫たちの存在が私にとってどれほどかけがえないものか」を静かに確かめ直す,贅沢なひとときです。
映画でも現実でも、猫は静かで、温かい光のような存在です。
猫は大きな声で主張することはありません。でも、そこにいるだけで場の空気を変える、不思議な力があります。
今回ご紹介した映画たちは、その“猫の存在力”を見事に描き出しています。
ヒマラヤンと暮らしてきた日々の中で、何度も癒され、励まされ、支えられてきた私にとって、猫映画は「心の共鳴装置」のようなもの。

休日にコーヒーを片手に、猫と並んで映画を観る――。そんなひとときが、どれだけ贅沢か、猫と暮らす人ならきっと分かるはずです。
📌参考情報:2025年5月現在、Amazon PrimeやU-NEXTで一部作品が視聴可能です(配信状況は変更されることがあります)。
コメント