35年前、初めてヒマラヤンの子猫「キャメル」を家に迎えた春の日のことは、今でも鮮明に覚えています。
それまで本棚に動物の本はほとんどなかった私ですが、キャメルと暮らすうちに自然と“猫が主役”の本に手が伸びるようになりました。
猫と暮らす日々が、私の読書の世界をどのように変えたのか。今回は、私の体験を交えながら、特別な3冊をご紹介します。
猫との出会いで変わった「本の見方」
ヒマラヤンの子猫を迎えたのは、35年前の春でした。ふわふわの毛に包まれたその子は、まるで絵本から出てきたような姿でした。
淡いキャメル色の被毛から「キャメル」とつけました。
それ以来、“猫が主役”の物語にも惹かれていくようになりました。
我が家の本棚は次第に「猫の本」が増えていき、一目見て分かるような猫好きの本棚ができあがりました。
そして、猫好きな人なら誰もが知っている世界の名作『100万回生きたねこ』に出会いました。
佐野洋子さんが作られた絵本は、どこか哲学的で最初は理解ができませんでした。
しかし、何度も何度も読んでいくことで、あの本のメッセージが胸に染みてくるのを感じました。
自分のおススメ、猫の本ベスト3
今の世の中の流れが猫一色と言っても過言ではないほど、猫は大きなムーブメントを起こしています。
動画配信でも猫の動画はバズリやすく、猫を飼っている方々や猫を飼っていなくてもAIで多くの猫の動画が作成されており話題を呼んでいます。
そして、今回は私自身が実際に読んで感動し、「これは紹介したい」と思えたもの絵本とマンガ3冊をご紹介します。
『100万回生きたねこ』(佐野洋子)
この絵本は、日本だけでなく海外でも愛されている名作。
何度も生まれ変わり、愛を知らずに生きた猫が、最後の人生で初めて心から誰かを愛するようになります。
子どものころは「なんだか不思議な話だな」と思っていたのに、大人になって読むと涙が止まりませんでした。
『100万回生きたねこ』は、私がキャメルと暮らし始めてから初めて読んだ本です。
読んだ当時は本の内容を理解することができず、「涙を流さない猫の話しのどこに感動をするだろうか?この本のどこがいいのか?」と思ったほどでした。
しかし、猫たちと暮らしていくうちに、猫の孤独や愛の深さが胸に迫ってきました。
私は長年猫を飼っているので何匹もの猫たちを見送りました。猫たちを見送るたびに、この本の「命は一度きり」というメッセージが強く心に響きました。

猫の命の期限は人間よりも短い。だからこそ何気ない毎日をもっと大切にしようと思うようになりました。
『グーグーだって猫である』(大島弓子)
『グーグーだって猫である』は、漫画家・大島弓子さんの自伝的エッセイを原作にした、猫と人間の優しい日常を描いた物語です。
小泉今日子さんが主役で映画も作成されています。
物語は、グーグーとの日々を通して、恋や病気と向き合いながらも「生きること」の意味を見つめ直していく姿を描いています。
猫の存在が、ただの癒しではなく、人生の転機や再生の象徴として描かれているのが印象的です。
猫好きにはたまらない作品でありながら、人生の機微や孤独、再生といった普遍的なテーマにも静かに寄り添ってくれる、そんな物語です。
この作品を読んでから、ウチにいる猫たちのちょっとした仕草——朝のあくび、夜中の毛づくろい、
無防備に寝転がる姿——全部が“物語のワンシーン”に見えるようになりました。
その後、グーグーと同じアメリカンショートヘアーのジャズちゃんが我が家にやってきました。
『おじさまと猫』(桜井海)
『おじさまと猫』は、ペットショップで売れ残っていたふくまると、妻を亡くした初老の男性・神田のおじさまが出会うところから始まる物語のマンガです。
孤独を抱えた者同士の絆が静かに深まっていく内容は涙が流れることもあります。
猫のふくまるはユニークな見た目と、愛らしい心の声が魅力。
猫と暮らす人なら思わず「わかる!」と共感してしまう場面が満載で、猫の気持ちを代弁してくれる作品です。
忙しい毎日に癒しがほしい方にぴったりの一冊!読むたびに心がほぐれ、「猫と一緒に生きる幸せ」を改めて感じさせてくれます。
我が家にも「ふくまる」と同じ、エキゾチックショートがやってきました。名前は「福まろ」です。
本だけじゃない。猫が導いてくれた猫友と出会い。
私は図書館が大好きで地元の図書館へはよく行っていましたが、ある日「ねこ特集コーナー」ができていました。
私は紹介されていた本を手に取りパラパラとめくっていました。
そこに図書館の職員さんがやってこられ「猫好きさんですか?」と声をかけられました。
実はその職員さんも大の猫好きで私と同じく多頭飼い。なんと彼女は保護猫8匹と一緒に暮らしていたのです。
その後、その職員さんから猫の本や猫の可愛い動画などの情報を教えてもらい、猫本を通じて図書館の職員さんと仲良くなってしまいました。
彼女は保護猫活動を頑張っている方で、猫の譲渡会なども頑張っていらっしゃいました。
私も少しだけですが寄付をさせてもらっています。
図書館のちょっとした「猫コーナー」から始まった交流が、猫の保護活動に繋がるとは思ってもいませんでした。
猫本を読んで変わった「心の持ち方」
猫が主役の物語には、「生きること」や「愛すること」へのヒントが詰まっています。
猫たちと暮らしながら、私は本(物語や絵本やマンガ)を通して多くのことに気づかされました。
たとえば、忙しい日常のなかでふゆがのんびり昼寝している姿を見ると、「私も少し休もう」と思えます。
猫本の中でも、猫は決して“なにかのために”急いでいません。
そんな姿が、読む人の心をほどいてくれるのだと思います。
猫たちと読書タイム。家族の時間が変わった
夜になると、ヒマラヤンのヒナが私のベッドにやってきて、私が本を開くと静かに寄り添ってくれます。
猫は静寂を好む動物です。ゆったりと静かな時間を好みます。
静かにパソコンを打っているそば、リビングで本を読んでいる、ベッドでゆっくりと本を読んでいる。
そんな ”ゆったりとした時間” には猫たちが私の周りに集まってきて、寝そべったり、毛繕いをしてみたり、それぞれのリラックスタイムを過ごしています。

落ち着いて本を読む時間は猫たちもゆったりと過ごす時間。読書タイムは猫たちと安らかに過ごす至福の時間になっています。
調べてわかった!ヒマラヤンが登場する物語は少ない?
実は、ヒマラヤンという猫種がはっきり登場する絵本や小説はあまり多くありません。
ですが、「ペルシャっぽい猫」「青い目の長毛猫」などの描写がある場合、それはヒマラヤンをモデルにしている可能性も高いです。
図書館で友達になった職員さんに尋ねたところ、「猫種まで明記する絵本は少ないですね。でも見た目がヒマラヤンっぽい猫の描写はちらほらありますよ」とのこと。
少し気を使ってくれたのかもしれませんが、そう聞いてからは、登場する猫の特徴に注目しながら読むようになりました。
「これは絶対ヒマラヤンだ!」と勝手に決めつけて、ウチの子たちを想像して読んでいます。
スタジオジブリの「ブス可愛」もきっとモデルはヒマラヤンに間違いない(笑)
猫と本。私に起きた心の変化
猫の絵本や小説・マンガには、ただの「動物物語」以上のメッセージがこもっています。
ヒマラヤンと暮らしてから、本を通して感じる“気づき”がより鮮明になった気がします。
たとえば「今という時間は戻らない」「静かな日常こそ、宝物」ということ。
これは、猫たちののんびりしたまなざしや、ゆったりと歩く姿を見ているうちに、私自身の価値観にも大きく影響を与えました。
そして、猫本を読むことで、猫の気持ちや視点にも思いを馳せるようになり、猫たちと向き合う時間が、より深く、愛おしいものになったのです。
まとめ:猫が主役の物語は、私の人生の一部
猫たちと暮らし始めてから、元来本好きだった私の本棚には猫本がどんどん増えていきました。
猫が主役の物語は、ただのフィクションではなく、私の日常や家族との時間、そして命の大切さを教えてくれる存在です。
これからも猫たちと一緒に、心に残る猫本を探し続けていきたいと思います。
猫たち一緒にいる日々を大切にしながら。
最後におすすめの猫本があればメッセージをお待ちしております。
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